第8章 爆豪のスタートライン
2、デクとかっちゃん②
ゆっくり、後ろを振り向くと、そこには、個性を使う相澤の姿。
「サボるなって……言ったろ……どうした……」
「……いや……コスチュームがあまりにも、着たくないものでしてね……どうしようかと……」
「違うだろ……お前は……個性を使いたく無いだけだ………」
ギクリと肩をはねらせ、リラはその場に立ち止まる。
「……だって……」
「……いくら、サボったって……俺はお前を除籍にはしねぇぞ……」
その言葉に上を向く。リラ……
「何で……」
「………俺は……他のヒーローと同様で、お前には、期待しているつもりだ……それと同じで……俺は……お前をヒーローに向いてるって……思ってる……大丈夫だ……お前なら……」
そこまで言われて、出ないほど、リラは頑固では無かった。コスチュームを握りしめ、相澤にお辞儀して
逆方向へ走る彼女、その背中に、相澤はため息を吐く。
「全く………」
そんな彼を見ていたオールマイトは……
「あれ?相澤君も随分肩入れしてるじゃないか!!」
「オールマイトさん!?……いや……違いますよ……
多分……アイツには、他のヒーロー皆そうでしょう……だって……
ヒーローのせいで……ヒーローを一度諦めた子だ……思うことも……見える事も違う……まぁ……後は、弁当の礼です…」
そう相澤はオールマイトから離れていった。
残されたオールマイトは先程までサボろうとした彼女の事を思い出す。
そうだね……あの子がヒーローを嫌いになってから…まだ……3年しかたってないからね………
でも…相澤君……君の目は他のヒーローとは違うようにみえるのは、私だけだろうか……
いつもより優しげだった…相澤の目に、
そう感じたオールマイトだった…