第6章 ようこそ!ここが雄英高校ヒーロー科だ!!
1、1-A担任は寝袋から③
彼女が消えると、男は寝袋から出てきた。
「はぁ……い静かになるまで…八秒かかりました……時間は有限……あいつ以外の
君達は合理性に欠くね……」
彼の何処かくたびれた風貌は、とてもプロのヒーローという感じは、せず……誰もが彼を見て首を傾げる。
「担任の相澤消太だ…よろしくね……」
担任……その言葉にクラスはザワつく……
そして、相澤は彼等全員の顔を確認すると、寝袋から雄英の指定のジャージをだした。
「早速……全員これ着てグランドに出ろ」
「え?……」
相澤が教室を出ていき、
生徒全員が急遽……更衣室に急ぐ。
一方、グランドでは、リラが一人、砂場で、大阪城を作り遊んでいた。
「……なにやってんの……お前」
「あ……先生やっと来たんですね……暇だったので……」
そんな会話をしていれば、走って来るのは当然同級生であり……
息を切らし、集合した彼等に相澤は
目的を伝えた。
「これから……個性把握テストをやって貰う……」
「「個性把握テスト!?」」
テスト…その入学早々に聞きなれない言葉に…全員の声は一つになった。
「入学式は?ガイダンスは?」
そう茶髪の女の子は相澤に聞く。
だが、相澤は背中を向け、雄英の校風について語り出す。
「ヒーロー目指すんなら…そんな流暢な行事…でてる時間ないよー……」
「雄英の校風は自由が売り……それは…教師側もまた然り……お前達も中学の頃からやってるだろ?個性禁止の体力テスト………」
「国は…未だ各質的記録をとって平均を取り続けている。合理的じゃない……まぁ……文部科学省の怠慢だな…」
「じゃあ……とりあえず、手本として……おい…リラやれ…」
リラ……そう相澤に呼ばれ、
彼女は無表情で彼等の元へ近寄った。
あっ……さっきの……
誰もの視線がリラに集まる。
「こいつは……虚言 リラ……
お前らと同じ1年だが……
特待生推薦枠の合格者だ……」