第3章 特別特待生推薦枠
「この試験のルールは簡単だ!!
演習場にいる大小様々の敵を倒し、そして……より多くの人を助けるだけ!!!!実にシンプルな内容だ!!!!
だが………リスナー達には一切数も救出する人数も伝えない……
そんな中!!!!この試験はポイント制……つまり、リスナー達はより多くの仮想ヴィランを倒し、多くの人を救うことが合格条件になる!!!!
しかし…募集要項にもあったが、制限時間一般入試同様……10分だ!!さぁ!!!ayuReady!!!!!!」
そして始まった実技試験……
試験場は広い大都市をモデルとした演習場であり、
誰もが、無理なのでは、と息を飲んでいた。
数を知らないで何処まで出来るかがヒーローになる鍵……
試験開始のカウントは無く……
「さぁ!時間は有限!!走れ走れ!!」
時間を告げられ、走るそれだけ………
皆が走って行く中、1人だけ動かず、会場を眺める者が一人
「おい!どうした!!リラ走らねぇのかい!!」
そう、その人物は紛れもない。リラである。
リラは気だるげにマイクを見た。
マイクはそんな彼女に元気よくわらいながら腕を回し急げと言う。
「マイクさん……」
「試験合格すんだろ!!早くしなあ!!」
相変わらずの彼の元気に少し引く彼女だが…
もう一度、会場を見て…ある宣言をした。
「大丈夫……今から、遅くて、3分で全部終わらせるから……」
3分……たった3分で彼女はどうするのだろう……
きっと…もう……他の受験者が多くの敵を倒しているはずなのに……
すると、彼女は目をつぶり何かを呟く。
「まずは、救助が先だ……こい………風鶏……」
彼女が目を開けると、
周りには風を纏うたくさんの鳥達がいた…
鳥達を確認すると、彼女は命令する。
「探せ…風鶏………」
命令はよく響き渡り、鳥達は一斉に空高く飛んでいく。
「さて……次は……敵の方………風鳥のお陰で……場所も分かった。……
他のヒーロー志望の子達には悪いが………君達の意志はよく見させて貰ったよ
だけど………勝たせてね………壊れな……(Gebrochen)」
トン……
地面を足で叩く………
そして…本の数秒の事だ……地面が少し、ひび割れ、
至る所で、ドゴォ!!
と物凄い音と共に仮想ヴィランが倒れたのは……