第3章 特別特待生推薦枠
「はい……よろしくおねがいします………あの……今日はどういう……」
「リラ……もう!!わかってるだろ?校長はお前の推薦に来たに決まってるだろ?」
耀が満面の笑みを向けると
彼女はやっぱりかとため息を吐く。
はぁ…何で…私なの……
「校長……直々に来て頂けるなんて………拒否権なんて……無さそうですね…私、4ヶ月前……先輩達の除籍原因ですし……」
「そうだね!
君は4ヶ月前に学校に来た時、1年生全員が除籍処分になる様な事を言った。……大変だったよ?
でも……別にそれが、理由って訳じゃないんだ!
君の強すぎる個性を抑える方法を我々雄英が教えてあげたいんだよ………」
それで、今君が背負わされてしまっている命の重みを解消は出来ないだろう……
それでも、僕等は少しでも君に償いたいんだ……
リラさんは……ヒーローは嫌いでも、私達は君を歓迎するよ?どうする?」
「あの日の事をいってるんですか?それとも……その次の事件の事ですか……
なら……別に気にしないで下さいよ……あれは……私が勝手にやった事なんです……それに、こんな私はヒーローになるべきじゃないんだ……」
彼女は根津の言葉に手をその場で強い力で握りしめた。
視線を遠くの方に向け、彼女は無表情ながら悲しげに見える。
「そんな事ない…
私は…君が9歳の時に起きたあの事件での活躍は忘れたつもりわないよ
……その時から決めていたんだ……
それに……昔……君のご両親とも…
…ヒーローにするって、約束したからね……」
彼女は目を逸らした。
何で……今更、両親の話が出てくるんだ……………いや……今だからか……私は……ヒーローになるべき、なんだろうか…
彼女はいつもそう思うのだ……
彼女は1度だけ……ヒーローを目指していた頃がある。それは…彼女がまだ幼くて、力だけが強すぎた時代の事。
しかし………世界は……まるで彼女が生きるべきではないかのように……不幸を与え続けてきた。
だから……彼女は感情まで消し…
…誰とも合わない……しゃべらない……空気でいいんだ…なのに……何で……両親がヒーローになってほしいという願いは……
こんなにも叶えてあげたいのだろう……もういないのに……