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懲りない誕生日

第5章 激怒!











・・・一週間後、幸いなことに骨折はなく、
罅程度で済んだエルヴィンが退院し、
部屋に戻ると室内の異変に気づき、絶句する。


堅牢な金庫があるのだが、それがまるで巨人に素手で
こじ開けられたように鉄の扉がひしゃげており、
慌てて中身を確認すると大事な物が紛失しており、
その場で膝を着いて絶叫した。

調査兵団の重要書類やその他諸々は無事なのに、
ピンポイントである物が無くなっている事から犯人が誰かは
すぐにわかったが、この期に及んでもまだ彼の怒りが
治まっていないのかと絶望する。

金庫に入れていなかった彼が作った物も全部無くなっており、
エルヴィンは彼を探しに行こうと足を踏み出したが、
窓の外から上がる煙に気づき下を覗くと、
かの人物が火を焚いて何かを燃やしている姿を見て更に発狂した。




エルヴィンが全速力で中庭に向かうと、
ナナシがエルヴィンの誕生日に作ったセーター、マフラー、
ハンカチなどを容赦無く燃やしている所だった。


「や、やめてくれっ!!それだけはああああっ!!!」


エルヴィンがナナシに飛び掛かろうとしたら、
その場にいたリヴァイ、ミケ、ハンジ、ナナバに取り押さえられ、
地面に抑えつけられた。


「やめろ、エルヴィン!てめぇが悪い!」

「ナナシがここまでする原因は全ておまえだ!」

「あのナナシがここまで怒ってる事くらい察しろ!」

「この馬鹿男!これは当然の報いでしょ!」


むしろ、殺されなかっただけありがたく思え!と
四人に言われたが、エルヴィンとしては納得出来るはずもなく
暴れ続ける。


「それは仮にも部下達がくれたプレゼントだ!
その気持ちを蔑ろにするつもりか、ナナシ!」


無表情で燃やし続けるナナシにそう問いかけたが、
答えたのは彼ではなくリヴァイだった。


「てめぇが一週間入院している間にナナシが全員に頭を下げて
燃やす許可貰ってんだよ!」

「入院したのはおまえに暴行を受けたせいだろうっ!?」

「てめぇが俺にした事を忘れやがったのか!?このクソ野郎!!」

「私だって被害者だっ!!」





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