第5章 激怒!
ナナシからのシカトが七日目に差し掛かったある日、
エルヴィンはとうとう発狂状態に陥った。
――いくら何でも怒りが長引きすぎる!!
一週間もナナシに徹底的に存在を無かった事にされた生活は
エルヴィンの精神を蝕み、我慢出来なくなっていた。
自分がやってしまった事は棚上げし、
エルヴィンはナナシの部屋に向かう。
合鍵を使うという選択肢もあったが、
取り敢えずノックしてみて開けてくれなければ使おうと考え
ノックすると、すんなり解錠する音が聞こえ、扉が開いた。
エルヴィンは喜びの余り、扉を開けてくれた人物に飛び掛かり、
濃厚なベロチューをかました。
何だかんだ言って、ナナシは最終的に自分を許してくれる。
これは仲直りのキスだよと脳内で語りかけていたが、
ある違和感に気づき、唇を離した。
いつもより身体が大きく感じた上、
感触が男のようにゴツゴツしており、
恐る恐る自分がキスした相手を視認すると、
エルヴィンはその場で凍りつく。
―――自分がキスしていたのはナナシではなく、
絶望線を浮かべながら凶悪な面構えで
エルヴィンを睨み付けているリヴァイだった・・・。
「おぅえええええええええええ」
エルヴィンが吐き気を催して膝をついていると、
怒りが頂点に達したリヴァイによって
容赦なくフルボッコにされ、
団長様は一週間の入院生活に叩き込まれたのであった。