第5章 激怒!
流石に空気の悪さを感じたリヴァイやハンジ、ミケ、ナナバなどが
ナナシに苦言を呈すると、彼は心底不思議そうな顔をして
「そんな人間存在するのか?私には何も認識出来ぬ」と
言ったものだから、その場が凍りついた。
あの(お人好しでエルヴィンに激甘な)ナナシが
そこまで言い切ってエルヴィンの存在を無かった事に
するなど只事ではないと、四人は元凶と思われる
エルヴィンに詰め寄った。
八方塞がりになっていたエルヴィンは誕生日の夜の事を
オブラートに包みつつ、ちょっと強引なプレイを
強行してしまった事を話すと四人から説教を食らい、
謝りに行けと執務室を叩き出され、ナナシの下に向かったが、
そこで更に酷い目に遭った。
声を掛けても無視、目の前に立って進路を妨害すれば
目にも止まらない速さのボディブローを腹部に食らい、
悶絶している間に何処かへ行ってしまうという仕打ちを受けた。
それを何度か繰り返す内にエルヴィンは更に「ヤバイ」と感じ、
焦り始める。
這々の体で何とか執務室に戻ると四人からどうだったかと聞かれて、
ナナシにされた事を話すと、彼らは絶句し
「本当に何やったの?どんなプレイをやったのよ?」と
聞かれる始末。
どうやら、彼らの中ではナナシが被害者で
エルヴィンが加害者なのは決定事項らしい・・・
(あながち、嘘ではなく真実だけども)。
だが、流石にナナシが腰を顔面に押し付けてアンアン啼いてたとか、
お尻を叩かれて感じていたとか、それを彼らに教えるのは
癪だったというか、自分だけ知っておくべき
ナナシの性癖だった為、エルヴィンは言葉を濁す。
エルヴィンの煮え切らない態度に、
とんでもない事をやらかしやがったなと感じた四人は
エルヴィンを放置して、ナナシに事情を聞くべく退室していった。
一人残されたエルヴィンは、
あのプレイはそんなにいけなかった事なのか・・・と
少し反省した。