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懲りない誕生日

第2章 本末転倒








「あれ~?どうしたの?エルヴィン」


夕食が終わった後、執務室にやってきたハンジが
エルヴィンの落ち込みに気づいたのか不思議そうな顔で首を傾げた。


「・・・・別に」

「別にって事は無いでしょ~?沢山にプレゼントに囲まれて
祝ってもらってるのに、あなた全然幸せそうな顔してないよ」

「・・・・・・」

「ま、言いたくないなら良いけど・・・って、そうそうこれ
プレゼントね!お誕生日おめでとう!」


差し出された小包を開けると、刺繍入りハンカチが入っており、
エルヴィンは思わずそれを目に押し当て涙を拭った。

その様子に驚いたのはハンジで、
「どうしたの!?エルヴィン、大丈夫!?」と心配して
背中まで擦ってくれる。


「・・・これは、ナナシのお手製だな?」

「う、うん・・・そうだよ。エルヴィンが喜ぶと思って・・・」

「確かに嬉しい。だが!肝心のナナシと共に過ごす時間が
無くなった!誕生日くらい一緒に祝って貰いたかったのに、
ナナシは・・・」

「え?え?どういう事?」


困惑するハンジに、エルヴィンは夕食時のナナシとの
やり取りを語り聞かせた。




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