第3章 夢見たこと
ゼヴィウスは自室に引き上げ、魔女の谷より買い寄せた強力な睡眠薬を一口だけ口に含んだ。
「眠れない体質を羨む奴らの気が知れねぇよ…。俺はこの体質に苦しめられてんのに。」
ゼヴィウスは、甘ったるく、ドロリとした喉ごしに身震いして呟いた。毎日飲んでいても慣れない薬の味に嫌気が差す。二藍の液体が入っている美しい装飾の小瓶を睨み、ベッドの横に置かれている小机にそっと置いた。
ベッドに入り天井を見れば、直ぐに眠気が襲ってくる。
(今から君の元へ…)
ゼヴィウスは眠りの闇に飲まれていった。
ゼヴィウスが眠る理由は唯1つ、
夢の中に出てくる、名も分からぬ、顔も分からぬ少女に会うため。
唯これだけである。