第2章 メロキフィストという少女
「…今日は何故か眠い。」
箒を壁に立て掛け、両手でこめかみを強めに押してみるが、まだ眠い。
「(睡眠期がきたのか…)」
メロキフィスト塵取りに集めたゴミを、ゴミ箱に押し込んだ。
メロキフィストは自身の机に突っ伏し、久しく襲ってきた眠気に呑まれることにした。
「(いつも通りの下校時間まで時間があるから…)」
_________すぅ、すぅ______
暫くすると、規則的な呼吸が聞こえ始めた。
教室内に居残っているのはメロキフィストただ1人。
開け放した窓から微温い風が吹き込み、メロキフィストの頰に掛かった黒い髪をサラリと退ける。
メロキフィストの美しい顔を見せてくれ、とばかりに。
頰を撫でる微温い風は、夢の中にいるメロキフィストに心地よさを運んだ。
最後に寝たのはいつだっただろうか?
心地よい暖かさが体を包み、そんなことはどうでも良いと思うメロキフィスト。