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第2章 メロキフィストという少女


メロキフィストが教室で読書をしたり、教室に魔法の花を生けたりしているうちに、ちらほらと生徒たちが登校してくる。

「おはようわロフィ。
今日もお花ありがとね。流石、優等生!」

いつも通り2番目に早く登校する生徒と挨拶を交わす。

彼女はアイリーン。
平和を司る神々やの血を濃く受け継いでおり、この学園でメロキフィストが最も信頼している生徒だ。いわゆる、親友というものだ。

「なんだよ、優等生って…、私が好きでやってることなんだからさ?」

メロキフィストは花の色を濃い紫色に変え、仕上げにと花弁にラメを散らしながら言った。

「あれぇ?ロフィ?今日はいつもより機嫌良くないのね?花の色がいつもより暗いよ。それに、ラメっていつもかけてないよね?」

アイリーンは珍しい!と戯けて大袈裟な身振りを付けて言った。そして納得したように頷いた。

「あ、ロフィ!寝不足なんだ!」

アイリーンはメロキフィストがサタンの血を濃く受け継いでいるということを知らない。
メロキフィストが寝不足にならないことも知らないし、サタンの秘書であることも知らない。

メロキフィストはわざと欠伸をして気怠げに応えた。

「〜っあぁあぁ……。んー、そんなとこ。ほら、私頭悪すぎだから勉強しないと…さ?」

アイリーンはメロキフィストを睨んで言った。

「夜更かしはお肌の大敵だよ。
あと、ロフィはそんなに勉強しなくたって、学年で1桁に入ってるじゃんかぁあ!なんだよロフィ!嫌味なの!?」

アイリーンはいつも騒がしいが、今日は一段と騒がしい。

徐々に声量が上がっていくアイリーンをなだめつつ、ついさっき生けた花を花托からボキリと手折ると紫色の花は灰と化して消えてしまった。

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