第1章 1
「あ、皆さん入れたんですね」
リビングに戻ると、俺の後から付いてきた4人の姿を見て、嬉しそうに唯が笑った。
「おー、キレイに片付けたやん」
「ホンマやなー。時間かかったんちゃう?」
「うぉっ、ちょっと来てみ!!旨そうなハンバーグやなぁ・・・」
「おーい、ベッドのシーツもパリパリやぞー」
「・・・って・・・家の中を見て回るな!!!!」
家の中に入った途端、4人は事前に打ち合わせをしていたかのように、それぞれいろいろな所を見て声を上げる。
唯は困ったように、その様子を見ている。
「えっと・・・」
「あー・・・唯。一つ訊いてええか?」
「あ、はい、何でしょう」
「・・・こいつらに、今日のことを言ったのは唯か?」