第1章 1
すると唯は、少し考えてから口を開いた。
「今日の昼間に、yasuさんから『今日のkiyo、何かおかしくないか?』って訊かれて、『何かあったんか、唯知っとる?』って・・・。それで」
「・・・言ったんやな・・・」
「はい・・・」
唯が小さく項垂れる。
星を眺める───天体観測は、静かな所でするに限る。
それが俺と唯の、いや天体観測好きの、暗黙の了解事項。
4人もの邪魔者がいると、うるさくて気が散る。
───俺はふーっと息を吐いた。
それから、唯の頭をポンポンと叩く。
「多少うるさいかもしれんけど、天体観測は出来るんや。───そこのベランダからでも、星は見えるで」
唯が顔を上げた。
きゅっと唇を噛んだままや。
俺はそんな唯に笑った。
「それとも、静かな所に移動するか?」
何となく、返ってくる答えは分かっとったけど、俺は唯に訊いてみた。