第15章 キルミー
休日ーーーー
眠っている焦凍の顔を見つめる
爆豪くんとシてしまってから、焦凍と目が合わせられない
(これって浮気だよね…私最低だな)
焦凍みたいな素敵な彼氏
私には本当にもったいない程で
なんで私なんかと付き合ってくれてるのかがそもそも謎なのに
そんな人を裏切ってしまうなんて
でも、あの時の爆豪くんを思い出すと
もしまたあの状況になったら断れる自信が無い
(あんな、泣き出しそうな顔されたら…)
勝己、と名前を呼んでしまったことにも驚いたけれど
爆豪くんはさらに驚いていたなぁ
「ん…寧々…起きたのか?」
『あ、うん…今さっき起きた』
本当はほとんど寝れてなくて三時間前から起きてた
私はまた焦凍に嘘を重ねてしまう
「俺は今日仮免の講習がある」
『そうなんだ、がんばってね』
「あぁ、俺も早く追いつかねぇとな」
『焦凍なら大丈夫だよ』
焦凍が身支度をするのを眺める
『今日ご飯なに作ろうか』
「任せる、ハードらしいから多めで」
『うん』
身支度が済んだ焦凍が、私を抱きしめる
「せっかくの休みに一緒にいられなくて悪ぃ」
『ううん、講習がんばってね』
焦凍の腕に包まれながら目を瞑る
焦凍の匂いを胸に吸い込むと少しホッとした
その時、ドアが乱暴に叩かれビクッとしてしまう
爆豪「おい、行くぞ」
『え…爆豪くん?』
轟「ああ、補習は俺と爆豪だから
二人で行くよう言われてるんだ」
『そ、そうなんだ…』
焦凍がドアを開けると、隙間から爆豪くんが見える
爆豪と目が合う
一瞬ギラりと目が光ったが
すぐに少しバツの悪そうな顔をして、逸らされてしまった
轟「じゃあ行ってくる」
『行ってらっしゃい…』
笑顔を向けてくれる焦凍の顔が見れない
(ごめんなさい、焦凍
でも…爆豪くんと目が合っただけで
胸が苦しくて仕方ない)
私はどこまでも最低だ