第12章 リメンバーミー
「寧々の実家は県外だったよな」
『あ、うんそうだよ』
「今から行こう」
突然、焦凍がそう申し出てくる
『え?!なんで!』
「寧々のご両親にも許可を取らないといけないだろう」
そう言って手を取ると、引っ張ってずんずん進んでいってしまう
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~寧々の実家~
「きゃーーーーー!♡♡♡」
玄関を開けたママが奇声を発する
「轟焦凍くんよね!
やだーホンモノー!生の方がさらに美形!」
「は、初めまして…」
『もぉ、ママ
焦凍驚いてるから…』
「あ、そうね上がって上がって~」
広間に入ると
「寧々ーーー!」
『お、お兄ちゃん?!』
お兄ちゃんが抱きしめてきた
「あぁ、さっきまで先生が来ててね
雄英、全寮制になるんでしょ?
寧人も寧々も承諾の印鑑押しておいたよ」
ママがしれっと言う
『え?そうなんだ』
「…で、なんでA組の推薦くんが、僕と寧々の家にいるのかな?」
「……お義母さま、お兄さん」
「お、お義母さま!?!?♡♡」
「おにおにおに…お兄さん!?
君ににお兄さんって呼ばれる筋合いはない!」
お兄ちゃん、それはパパの台詞なんじゃ…
「寧々さんを俺に下さい」
焦凍が二人に頭を下げる
「いいよ!」
ママかっる!
お兄ちゃんは泡を吹いて倒れてしまった
「差し当たり、寮では同居させていただきたいのですが
よろしいでしょうか」
「もち!」
だから、ママ軽いって…
「寧人はショックで気絶しちゃってるけど
あとで丸め込んでおくからさ
寧々、よかったね」
『ママ…』
「大切に育てた愛娘です
私達に変わって、大切にしてやってください」
今度はママが焦凍に頭を下げた
胸がじんわりと熱くなる
ありがとうママ…
「はい、命に変えても」
焦凍がハッキリと返事をする
「はぁ…♡ほんとイケメンね」
『ママってば…』
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「今日は泊まってい、く、わ、よ、ね」
とママに強く押されて
今日は泊まっていくことになった