第12章 リメンバーミー
『焦凍の部屋行っていい?』
タクシーの中で寧々が言う
「それは…ちょっと…」
今の寧々と二人きりになると、我慢できるか分からない
『ダメ?』
「……いや、大丈夫だ」
俺の理性はこんなにも弱い
でも、今だけでもこの愛に溢れた視線を、表情を
俺のものにしていたい
それに今、恋人なのは俺だ
何も問題は無い
そう心に言い聞かせた
ずるいのはわかっている…けど俺も本気なんだ
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部屋に入ると、寧々が抱きついてきた
「っ?!/////」
『すごく、怖かったね…』
「……あぁ」
『でも、爆豪くん
助かってほんとよかった』
「…そうだな」
『そういえば、爆豪くん
こないだ病院来てくれた時、凄く怒ってたよね…』
「気にするな、爆豪もあの時は興奮してただけだから」
『そっか、よかったぁ』
ニコニコとわらう寧々
体も声も近くてクラクラする
そっと頬に手を添えると、寧々は警戒心もなく目を閉じた
唇に口付けを落とす
背徳感と、幸福感が混じり合う
俺に抱きついている寧々を横抱きにし
寝室に連れていく
そして敷かれた布団に、下ろし
『…焦凍』
「嫌なら拒め…
逃げるなら今しかねぇぞ」
最後の理性で忠告する
『ううん…焦凍なら、怖くないよ』
俺の理性は完全に壊れた
貪るように唇を犯す
『んっ…ぅむん』
細い足に指を這わせる
太ももを撫で上げ、スカートの中へ
もう片方の手で、ブラウスの中をまさぐる
細い腰、どこもここも細い、だが柔らかい
唇を離すと唾液が細い糸になった
寧々の目はトロンとして、顔はほんのり赤く染まっている
ブラウスの中の手をさらに上に
いつも、服に隠れていた形のいい胸に手が触れる
卑劣な方法だとは分かっている
だが、落ちるところまで落ちたとしても
このまま欲に溺れたい
先端の突起を指で弾くと
『あっ』
寧々が小さく声を上げる
反応が嬉しくて、愛おしくて
「寧々…」
このままでは本当に、俺は人として最低なことをしてしまう
それでも…膨れ上がった恋心が限界を超えて溢れ出す
記憶が戻らないように、俺の存在を
寧々に染み付けてしまおう