第11章 コールミー
着地した時、寧々は気絶してしまった
慣れない爆発に耐えきれなかったのか腕は火傷で負傷している
寧々を抱きかかえ、人気の多い場所まで逃げる
こんな細い体に…無茶させて怪我させて…
眠る寧々に口付けを落とす
不甲斐ない
緑谷が轟に連絡を入れる
隣の大型スクリーンには、オールマイトとオールフォーワンの戦いが中継されている
«あ、あれは……»
レポーターの声が響く
画面を見ると、そこには
ガリガリに痩せたオールマイトの姿
『……………………え?』
なんだよ、あれ
あれがオールマイトなのか?
細い体でなお、敵に立ち向かう
姿形はちがうが、
そこで戦うのは確かに、俺が憧れて止まなかったヒーローの姿
決して負けないヒーローの姿だった
「勝てや!!!オールマイト」
気がつくと叫んでいた
それに応えてくれるかのように、俺のヒーローは
最後の勝利を収めた
その後、寧々は病院に搬送され
俺は警察に保護された
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翌日、寧々が目覚めたと聞いて
病院に向かう
病室には轟、緑谷、八百万、切島がもう着いていた
八百万「腕の火傷のあと、残らなくてよかったですわ」
切島「ほんとにな!さすがリカバリーガール」
『うん、なんで火傷しちゃったんだろ…
なんか途中からほとんど記憶無いや』
緑谷「僕の無茶苦茶な作戦のせいだ…ごめんね寧々ちゃん」
『ううん!大丈夫!気にしないで』
元気そうな寧々の声が聞こえる
部屋はここか
一呼吸おいて、病室に入る
爆豪「寧々」
寧々がゆっくりとこちらに目をやる
こいつの目ってなんでこんなにキラキラしてんだろうな
抱きしめたくなって、近付き手を伸ばす
『爆豪くん!大丈夫だった?!』
あ?
心配そうに俺を見る寧々
轟「おい、寧々どうした?」
『ん?何が?』
切島「寧々ちゃん?爆豪可哀想だからよ、そういう冗談はやめとこうぜ?な?」
『焦凍も切島くんもどうしたの?』
キョトンとした顔で聞く寧々
なんで、轟の事は「焦凍」で
俺のことは「爆豪くん」なんだよ