第11章 コールミー
俺はついさっき決まった「爆豪奪還作戦」の計画を寧々に告げた
「俺達が必ず爆豪を取り戻す
だから、安心して待ってろ」
『やだ』
初めて聞く、寧々の冷たい声
『私も行く、自分の手で勝己を取り戻す』
「っ!何言ってる、
無理に決まってるだろ、落ち着け」
『なんで?私にはいま勝己の個性が宿ってる
十分戦力になれるよ?』
「寧々を危ない目に合わせるわけにはいかねぇ」
『私1人で敵襲に突っ込むのと、焦凍について行くの
どっちが危ないと思う?』
「俺を脅すのか?」
『………焦凍がつれてってくれないなら
一人でも行く、絶対』
真剣な顔の寧々
いつもののんびりした笑顔はどこにもない
ただ悲痛な表情で、自分の手を見つめている
「わかった、今夜病院前で待ち合わせよう」
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病院前に行くと、轟、切島、緑谷、八百万、飯田が待っていた
新幹線に乗り、横浜神野区へ向かう
ゴロツキが蔓延るいわゆる飲み屋街
夜も相まって高校生の姿では浮いてしまう
八百万の「変装しましょう」という提案にのり
大型量販店で、各々変装した
轟はホスト、切島緑谷はチンピラ、飯田は飲み屋の黒服
八百万と寧々はキャバクラ嬢と言った風貌
『八百万さん…こんなに胸出さないとダメ?』
「寧々さんは、童顔ですからそれくらいしないと
高校生にみられてしまいますわ!」
『うう…ドレス動きづらいし…』
つけまつ毛二枚重ねの派手な化粧をした寧々は
本当に大人びていて、もし本当にキャバクラで働こうものならNo.1は確実だろうなと男子軍は思った
たくさんのビジューつきのドレスから、発育のいい胸の谷間が覗いている
八百万のほうが大きさ的にはあるのだが
体の細さのせいで、寧々のほうが目立って見えてしまう
『早く発信機の示すところへ行こう』
「うん」
八百万の発信機が示す場所に到着した
工場の一角のような場所
コンクリート塀に身を隠す
「敵がいるといって爆豪さんがいるとはかぎりません」
八百万は諌めるように言う
「少しでも危険だと思ったら止めるぞ!」
飯田は緑谷に強く言い聞かせた