第11章 コールミー
『嘘!嘘だよね?焦凍!』
「すまない…」
焦凍は苦しそうな顔をする
『っ!そん…な…かつき…』
涙が次々溢れてくる、体の震えが止まらない
最後の彼の笑顔を思い出す
『私、勝己がそんな時に…意識がなかったなんて…』
「無理もねぇ、寧々は毒ガスを吸って気絶してたから」
そんなのは言い訳にならない
悔しい…、勝己…今どこにいるの、生きてる?
生きてるって言って…
『勝己!!!!』
叫んだと同時
ニトログリセリンの香りと
火花
私の両手から、爆発が起きた
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~爆豪side~
俺を守るだかなんだか
デクや舐めプ野郎に囲まれて歩いていた
常闇が消えた次の瞬間、俺も何かに足元から飲まれそうになる
斜め前、少し届きそうな所に寧々が轟に担がれて寝ていた
寧々に手を伸ばし、
顔を引き寄せ、唇にキスをした
そのまま完全に飲み込まれちまった
ちゃんとコピーできてるといいが
それが俺からのメッセージだ、ちゃんと受け取ってくれ
俺がどれほどお前を愛しているか
俺の個性で、自分の身を守れ
近くで守ってやれねぇから
せめてそれだけ
目を開けると、拘束されていた
目の前にはヴィラン連合
「ヒーロー志望の爆豪くん
僕達の仲間にならないか?」
なんだこいつら、ふざけんのは顔だけにしとけ
「寝言は寝てシネ」
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~轟side~
寧々の両手から煙が登る
「これ…爆豪の」
『勝己…生きてるんだ…』
「?!」
『焦凍!勝己生きてるよ!だってほら、私、勝己の個性が使えるもん!』
『コピーは、死者の個性は使えない、だから私が使えれるってことは、勝己は生きてるってことなんだよ!』
「よかった…
でも、いつの間にコピーした?
治癒の個性をコピーしてたはずだろう」
『わからない…気絶している時かな…
でも、なんで…だって気絶してて使い物にならない私に
戦闘個性与えても意味無いよね』
両手からパチパチと火花を出し、それを切なそうに見つめる