第11章 コールミー
常闇、緑谷、障子、俺が今最優先して行うことは
常闇「爆豪を無事先生の元に送り届けることだな」
全員で爆豪を守るように囲む
「お前中央あるけ」
轟が爆豪に言うと
「俺を守るんじゃねぇ!クソ共!」
と噛み付く野犬のように吠えた
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少し歩いていくと、麗日、梅雨のコンビに出会う
彼女達もまた、ヴィランと格闘後だった
緑谷「二人共無事でよかった!今かっちゃんを護衛しつつ先生のいる施設にむかうところだったんだ!」
緑谷の言葉に
ん?とふたりが首を傾げる
梅雨「その爆豪ちゃんはどこにいるのかしら?」
蛙吹に言われ、全員振り返る
爆豪がいたはずの場所…
そこには誰もいなかった
「彼なら」
途端、上の方から声がして、見上げる
「ボクのマジックでもらっちゃったよ」
ピエロのような仮面をつけたヴィランが
二つのビー玉のようなものを手で弄びながら言う
彼の個性だろうか、
そのビー玉のようなものに爆豪と常闇が封じられているようだ
「麗日、寧々のこと頼む」
轟は気絶した寧々を麗日に渡す
「うん、まかせて!」
ヴィランは爆豪勝己を手に入れ、目的を果たした
撤収しようとしている
緑谷「だめだ!」
轟「させねぇ!
絶対逃がすな!」
最後まで、あと指先すこしまで
届いていたのに
爆豪は、ワープ能力のヴィランの中にすいこまれていってしまった
森には、緑谷の悲痛な叫びが
響き渡っていた
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目が覚めると
真っ白な天井
体が少し暑い
『っつ!』
頭痛に顔をしかめると
「寧々!目が覚めたんだな」
『焦凍…』
半分泣きそうな顔の焦凍がベッドのそばにいた
『なにが…あったの…』
何だかおかしい、
何かが足りない
『勝己は?』
「…爆豪は
ヴィランに、拉致された
守れなかった
悪い………」
ヒュッと喉がなった
『う、うそ…』