第10章 エクスキューズミー
目の前に突然、砂の波が生まれ
砂埃が晴れると、みんなの姿がなくなっていた
『え?!みんなは?!!!?』
戻ってきた相澤先生と、猫耳さん2人と子供に問いかけると
「あぁ、訓練に行かせた」
と、相澤先生。
「私達は先に宿屋に行って、みんなの食事したくするよー
手伝ってね!」
と、猫耳さん
『えぁ……はい、がんばります』
私は状況が読み取れないままに、そう答えることしか出来なくて、山の麓に消えていった友人達を心配する。
ふと、こちらに視線を感じて見下ろすと、
マンダレイさんに隠れて、小さな男の子がこちらを見つめていた。
『こんにちは、わたし寧々、よろしくね』
勝己に雰囲気のよく似た少年は、未だにこちらを見つめていて…。
「お前も、ヒーローめざしてるのか」
問いかけてくる声の年齢にそぐわない威圧感
『ううん、私は違うよ
私は救護のために来てるだけだから』
「そうか
おれは洸汰」
『洸汰くん、よろしくね』
にっこり笑うと、勝己によく似た少年は、照れたように横を向いた
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みんなの帰りを待ちながら、料理を作る
こんな大きな釜でお味噌汁を作るなんて初めて
肉団子も自信作だ。
「寧々、だっこ」
『はいはい』
洸汰くんも、すっかり心をる許してくれたのか
暇さえあれば抱っこをねだられる
両親を事故でなくしたと聞いてはいたけれどしっかりして見えるけど、やっぱり寂しい…よね
『洸汰ー、高い高いだよー』
「や、やめろ!オレ、ガキじゃないんだから」
言葉とは裏腹に喜んでくれてるような気がして、私は洸太くんを抱き決めた。
夕日に染まるオレンジの空、
みんなが続々と帰ってきた
洸汰くんを抱っこして、エプロン姿のままみんなの所に行くとみんなが私を見て目を丸くする。
「寧々ちゃん、その子は」
梅雨ちゃんが首をひねりながら問い
「かっちゃんの子供?!」
緑谷くんが叫び
「う、産んだの!?いつの間に!」
麗日さんも叫んだ。
「でかした!」
いや、でかしたじゃないよ勝己
バカなの君は
『いやいや、ちがうって
この子はマンダレイさんの従甥の洸汰くんだよ』
ふてぶてしい視線に焦凍が勝己に一言
「お前に似てないか?」と
クラス一同、全員同意