第10章 エクスキューズミー
朝一番にリカバリーガールのところへ行き、個性をコピーさせてもらう
『キスした事、勝己にバレたら確実に殺されるよね、焦凍が』
期末の結果もでて、無事慌ただしかった前期が終わる
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
はずだったのだが
『ええええええ!お兄ちゃん赤点だったの!?』
「実習試験で…ちょっと」
『林間合宿は?出発明日だよ?赤点だと行けないんじゃなかったっけ』
「それは行ける、というか、なんで寧々が知ってるの?」
『麗日ちゃんに聞いたの、A組も5人赤点だったみたいで、行けないかもって言ってたから』
「え?!優秀なA組から5人も?!B組よりA組の方が優れてるのに、Bは1人でAは5人もいるの?」
嬉しそうにお兄ちゃんが言う
いや、それお兄ちゃんが嬉しそうに言ったらダメなやつだ
けど楽しそうだからいいか…
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
翌日
私はお兄ちゃんに付いて林間合宿行きのバス乗り場に居た
リカバリーガールから、念のために再度個性をコピーさせてもらう
お兄ちゃんは変なテンションでA組に絡んでいっていたけど
拳藤さんに止められていた
私もB組のバスに乗り込もうとすると
グイッとリュックを引っ張られる
振り返ると勝己
「お前はこっちだろ?」とA組のバスに連れていかれる
「寧人はこっちでどうにかするから、安心して」
と、拳藤さんが気絶しているお兄ちゃんを抱えて言ってくれる
『あ、ありがとうございます』
A組のバス内は賑やかで、楽しくて
勝己はずっと私の膝を枕にして寝てたけど
なんだか、こうやってみて見るとヒーロ科のみんなも
普通の高校生なんだなって思えて嬉しかった
バスが止まり、一旦全員下ろされる
私はイレイザーヘッド先生に耳打ちされ、バスに戻され
こっそり窓からみんなの様子を見ていた
『なにするんだろ…
あ、勝己が私のこと探してる
すごいキョロキョロしてる…ふふ
面白い』
するとふたりの猫耳をつけた女の人と、子供が1人出てきてみんなに話しかけ始めた
みんなざわついている
何人かがバスの方に走ってきたけど