第1章 ドントタッチミー
「…大丈夫か?」
『あ、え、はい
ありがとう…ございます』
そう会話している間も人に押されて更に体が密着してしまい
そうなると、否応無く胸を押し付ける形になり
『んっ』
息が苦しくて声が出てしまう
『あの…ご、ごめんなさい』
「…いや、大丈夫だ…」
大丈夫といいながら、彼の顔は真っ赤じゃないか
俯いているものも、胸に収まっている私からは赤い顔が丸見えなわけで
つられて私も赤顔してしまう
(よくみると綺麗な顔…
ってそんな事考えてる場合じゃないよね)
間もなくヒーロー科の生徒によって、この混乱は納まり
紅白の髪色の男の子と寧々は、気まずい雰囲気の中お礼を申し上げ、別れた
「寧々!」
別れた後すぐ、物間が顔面を蒼白させ、寧々に近寄ってくる。
『お、お兄ちゃん!』
「大丈夫だったか?怪我とかしてないか?!」
『うん、大丈夫!お兄ちゃんも大丈夫?』
「大丈夫だ、ブザーなってすぐ、探したけど居なくてヒヤヒヤしたよ」
はーーーと安堵したようにしゃがみ込む兄
『ごめんね、心配かけて』
寧々も同じようにしゃがみ込んで
視線を合わせて笑い合う
やっぱりお兄ちゃんは私のヒーローだ