第10章 エクスキューズミー
演習試験で、勝己が倒れたって聞いて
急いで救護に入った
個性の激しい使用による消耗だったから
自然治癒を待つことに…
意識はまだ戻らず、スヤスヤと寝ている勝己に付き添っていると、不思議な気持ちになる
『勝己でも、倒れたりするんだ…』
ポツリと呟いてみつめた寝顔は可愛いのに…
なんでいっつもあんなに、不貞腐れた顔してるんだろ
いつもシワの入ってる眉間を指でツンツンすると
「ん…んんー」
少し唸って勝己の目が薄くあいた。
『ごめん、起こした』
「寧々…」
寝ぼけ顔の勝己がキスをしてこようとするから、両手を口の前にブロックして、迫る唇を遮断した。
『ダメ!上書きコピーされちゃう』
「あ゛?個性のコピー中はキス出来ねーのかよ」
『うん、だめ
勝己の個性に上書きされちゃう』
「チッ、なら林間合宿中ずっとかよ」
勝己が不機嫌ヅラでベッドから起き上がると
「キスできねぇって言うなら」
そう言いながら、座っている私の太ももに手を伸ばしてきた。
「身体触らせろ」
するする撫でられる内もも、ゾワゾワした感覚に頬が暑くなった
『っ!勝己だめ…』
ガラッ
扉を開ける音がして
「かっちゃん大丈…ぶ!!!?」
緑谷くんと目が合う
『み、みどりやくん!//////』
「//く、クソナード!見てんじゃねぇ、殺すぞ!//」
「あ、あのごごごごごめん!!!!」
ピシャン!
緑谷くんは盛大にあせって、顔を赤青させながら扉をしめた
「あんのクソナード殺す!」
『いや、こんな所で襲ってきた勝己が悪い!
緑谷くんに危害加えたら、3日間口聞かないからね!』
乱れた制服を治す
変態爆殺王め…