第10章 エクスキューズミー
「あんた、これはどれ位コピー能力持つんだい」
『えっと、一応再度同じ人とキスをするまでの間は何日でももつみたいなんですけど…』
「じゃあ、私と同じ治癒の個性が使い続けられるってことかい?」
『はい、ほかの人と発動条件を満たさない限り大丈夫です』
それを聞いて、リカバリーガールは
何か考えているようだった
その時、チャイムがなり
勝己は「着替えて教室戻る、ゆっくり休め、無理すんな」
と言って出ていってしまった
私もそろそろ帰ろうと思ったその時
「ちょっと、あんた
ヒーロー科に兄弟がいるだろう?」
リカバリーガールに問われる
『はい、物間寧人は私の双子の兄です…けど』
「なら話は早い、物間に着いてヒーロ科の林間学校へ行ってくれないかね」
『え?私がですか?』
「ああ、私も忙しくてね、あちこち飛び回って治癒してるんだがね
今年のヒーロ科はケガ人が多くて…
軽傷だけでいいから治せる人がいるといないとでは大違いなんだよ」
「大きい怪我はね、色々医療処置がいることもあるから、しなくてもいいけど
どうだい?」
私の個性が、初めて人の役に立てそうなんて…
強いだけで使い物にならない没個性なのに
『はい!ぜひ、やらせて下さい!』
深々と頭を下げる
私の林間学校行きが決まった瞬間だった
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私はその日から、リカバリーガールに指導を受けることになった
ヒーロ科の実技練習を見学したり
女の子の傷は少し直したり
「すごいよ、寧々ちゃんもコピー個性だったんだね
しかも持ち時間物間くんより長い!」
膝の傷を直してあげた麗日さんが言ってくれる
「そのような素晴らしい個性でしたら、ヒーロ科に来てくださればいいのに…」
八百万さんが残念そうに言ってくれる
そんなそんなと手を振って否定する
『私にはヒーローになれる素質ないから…
みんなみたいにかっこいい事出来なくて、お兄ちゃんみたいに頭の回転早くないしね
こうやってみんなの役に立てるだけでうれしいよ!』
「寧々ちゃん」
「寧々さん…」
2人がギューーっと抱きしめてくれる
『ありがと!元気でた!
2人とも、演習試験頑張ってね!』