第7章 リーブミー
ヒールでぴょこぴょこ走ってくる寧々
いつもより顔の距離が近く、
(何でこいつ唇プルプルしてんだ?キスしていいってことか?そういう事か?)
メイクをした寧々の顔を直視できない
「こんにちは、綺麗なお嬢さん」
ベストジーニストが寧々の手を取りお辞儀をする
『あ、こんにちは』
なんの警戒心もなく返事をする寧々
「だーーー!!!」
寧々の手を掴みジーニストから引きはがす
『なに、勝己』
「警戒しろ、ボケ」
「ははぁ、そういうことね」
そのやりとりを見て、ジーニストは納得したように肩を上げる
「そしてお前はちょっとは、隠せ!」
体育祭の時より、露出度が上がった寧々格好に
どこに目をやればいいのかわからない
思い切り見えるのだ、Vネックから主張している谷間が
短パンからスラリと伸びた足が
そして首を傾げると、綺麗に巻かれた髪の奥に
オレがつけたキスマーク
(これ以上見てるとヤベェ)
「今日仕事終わったら連絡しろ、迎えにいく」
それだけ言ってズカズカと歩き出す
「やれやれ」とジーニストもパトロールに戻る
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「さっきの彼、髪型違ったけど
優勝者の爆豪勝己くんだよね?」
『あ、そうです』
「じゃあ、やっぱり爆豪くんにしたんだ?」
『いえ、そういうのではないです…』
去っていく勝己の背中を見ながら答える
(あの髪型…結構似合ってたな
思い出すだけで面白いし、絶対本人には言えないけど(笑))
思い出してフフフと笑う
「お?表情ほぐれてきたね!
そのままでいいからこっち向いて」
『あ、はい!』
カメラのシャッターが切られる
「うん、いいの撮れた
じゃあ衣装チェンジしてー」
この後衣装を5回変えて、結局撮影が終わったのは夕方近くになってだった