第7章 リーブミー
私は制服のまま、ロケバスに突っ込まれた
「まずは、都内のスタジオでルームウェアのカタログ撮影ね
職場体験とはいえ、ギャラはきちんとお支払いするから、後で振込の銀行口座おしえといて」
テキパキと御子柴さんが言う
『撮影?ギャラ?』
何が何やらわからない
ロケバスには化粧台が付いていて、その前に座らされる
「メイクは向こうについたらするから、髪だけいじるね」
メイクさんが私の髪にコテを当てる
あっという間に可愛らしい髪型に仕上げてくれた
『す、すごい』
スタジオに付くとメイクをされ、服も着替えさせられ
カメラの前に立たされる
本物のお部屋のようなセットに困惑してしまう
「はい、じゃあ寧々ちゃん
部屋でいつも通りくつろいでいる感じでいいからね」
『は、はい』
(くつろいでって言われても、こんなに人が見てたらくつろげないよ!!!)
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「後半すごくよかったよ!!」
ロケ弁を食べながら御子柴さんが息を荒らげて言う
『そ、そうでしょうか…』
カメラマンさんの指示に従って頑張っては見たものも、緊張で何をしたか覚えていない
「最初は表情も固くて心配だったけどね、
寧々ちゃん、絶対この仕事向いてるよ」
『ありがとうございます…』
「この後は、外で雑誌の撮影になるからね」
『はい』
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〜爆豪said〜
(来る事務所…間違えた)
爆豪勝己は後悔していた
鏡の中の自分の髪型は、コテコテの七三わけにされていて
ピッタリしたジーンズを履かされている
「ヒーローは救いを求める人に安心感を与えないといけない
わかるかい?」
人気No.4ヒーローのベストジーニストが腰をクイッと曲げて言う
七三は一瞬で元通りのツンツンヘアーに戻った
「んーワックスが足りないみたいだね」
さらにワックスを追加されて七三にされる
「髪型が決まったら、パトロールに出よう」
「は?この格好でか?!」
「勿論」
(やっぱ来る場所間違えた…)