第51章 アポロジャイズフォーミー
「ショッパー!がんばれ!」
逃げ遅れた市民が、彼女へ声援を送る。
ミシミシときしみ始める筋肉
1億を1分に凝縮した彼女は、力にしてオールマイトに同等に匹敵するほど。
「ふっくぁああああ゛!!!!」
何かが折れていくような音がする。
途端に虎はその肩を歪ませ、痛みに仰け反った。
「腕だけで…虎の骨を粉砕したのか…」
「バケモノめ…」
ショッパーは崩れ込む虎に覆いかぶさった。
スッ…と影が消えるかのように、虎は姿を溶かした
ショッパーは、墨切を睨みつけると、よろよろと立ち上がる。
「墨切…大人しく、お縄についてもらおうか…」
「あぁ、そうだな…完敗だ」
墨切が両手を降参するかのように上げ
「君がね……」
その、胸元から現れた龍が
彼女の腹を貫(つらぬ)いた。
「………ショッパー?」
轟が目を見開き、そのヒーローの名を読んだ。
脚をつたい、みるみるコンクリートを濡らしていく血溜まり…
「なん……この…龍……」
喘ぐように声を絞り出すショッパーに、男はネクタイを緩めた。
「ワレのためにいれたんじゃ、ショッパーちゃんを殺すためにのぉ」
ワイシャツから、胸をはだけさせる墨切
胸元に入っているのは、
大きな2つの登り龍 。
「はは……すっげー悪趣味…ダッサ…」
「気に入ってくれると思ったんじゃけどなぁ」
肩をすくめる墨切は、龍の頭を、ショッパーから引き抜いた。