第51章 アポロジャイズフォーミー
ショッパーは、雑魚を蹴散らしきって、敵多数の轟の元へ行こうとするが
目の前に佇む男に
1歩、後退した
「あんたの相手はワシじゃろぉ……」
「……」
向かい合った男は、椛組総長…墨切 寅次郎
「あんたの手の内はもうわかってるわよ…」
「そりゃぁこっちも同じじゃ。
あんたのレシート消費させるための手筈は整えたんじゃけぇのぉ」
「まさか、最近の小物ヴィランたちは…」
ショッパーは、眉をひそめ、墨切を睨んだ。
最近、彼女の管轄内で増えたヴィランは、すべて椛組の手駒だったということだ。
この襲撃のために、コツコツ彼女の武器であるレシートを消費させたようだ。
「それに、あんたの財布はここじゃ」
墨切はトレンチのポケットから、カルティエの財布を取り出して振る。
ショッパーは、自分のポケットを確認し、空になっている事に気づいて険しい顔をした。
「まさか天下の椛組が、スリなんて小物なことをするとはね…」
「これでワレ(お前)はただの可愛らしいお嬢さんっちゅうことや」
笑う墨切に、ショッパーもつられたように笑った。
そして、タイトなドレスの胸元のジッパーをゆっくりとさげ、微笑む。
「馬鹿ね…
とっておきは、取っておくもんよ」