第51章 アポロジャイズフォーミー
店を出ると、ショッパーは、新たに増やしたショッピングバッグを手にウキウキと、冬のアーケイドを進んだ。
「今日はクリスマスイブやしな、OZAWA予約しとるけぇ、フレンチ食べよーう!
一旦事務所帰ってー、ドレスアップしてー…」
楽しげに話していたショッパーの声が、ふと止まる。
空から舞い降りてきたものに、目を奪われ、足も止まった…
「雪……」
ハラハラ舞い降りてきたのは白い結晶。
どおりで寒いわけだと、爆豪は空の篭手を振る。
汗をかかないから全く溜まる気配がない。
と、そこに、嫌に鼻につくタバコの匂い。
ざわめくアーケイド内、
遠くで横断歩道の電子音が、カッコウ…カッコウ…と鳴っている
「よぉよぉショッパーちゃんひさしぶりじゃのぉ」
「何餓鬼つれてんだぁ?
つか、相変わらず派手な格好してんなぁ」
「ーーー…っ!!!」
背後に並ぶのは黒い塊。
「お前ら…椛組の……」
ショッパーの表情がみるみる青ざめ、爆豪と轟の前に立ち塞いだ。
「下がれ!」
戦闘体制に入ろうとした轟にショッパーが叫ぶ。
いつもの飄々としたものとは打って変わって、緊迫した彼女の表情に、相手は今までのヴィランと桁違いだと分かる。