第51章 アポロジャイズフォーミー
「んでてめぇが白着てんだよ」
クルクルと回ってみせるショッパーが着ているのは豪華なウェディングドレスだ。
「だーってー適齢期なのに貰い手いないんだもん。着れなくなるかもじゃん!
ね?似合ってる?どう?どう?」
「あーあー。似合ってる、ニアッテル」
適当な返事をする爆豪に、それでも似合っていると言われて嬉しいのか、ショッパーは満面の笑みだ。
「私もいつか、嫁に行けたらなー
ほら、能力が怪力だから、デート中とかにヴィランみつけてシメてるのをね見られるたびに逃げられちゃってさーハハー」
再度カーテンが閉められ、ウェディングドレスを脱ぎながら、ショッパーは自嘲的に笑いながら話し始めた。
「やっぱ、私みたいなゴリラには無理か……」
「別に、いけんだろ、嫁」
そんなショッパーに返事をしたのは爆豪。
声だけが聞こえる、カーテンの向こうを、ショッパーは凝視した。
爆豪の事だ、てっきり「諦めろや怪力ババア」とか「ゴリラと結婚すりゃいいだろ」などと言われると思っていたのだが、続いた言葉はこうだった。
「今までの男が、見る目なかっただけだろ」
「爆豪……あんた、良い奴だね」
「そーかよ」
ぶっきらぼうな返事に、轟は隣の爆豪をみて薄く笑った。