第50章 ホールドミー
「守りたいものを作るといい
必ず強くなれる。
ものじゃなくても、なんでもいいんよ。
思い出も、場所でも、もちろん恋人でも」
そう言って、ショッパー賀茂鶴を飲み干した。
「ちゃんと食べんさいよ?育ち盛りなんじゃけぇ」
「うっ…酒臭…!」
「でさーぁー?その子の魅力って何?やっぱ胸?」
「はん!?」
「いや、胸もでけぇがそれだけじゃねぇ
ついでに言うと俺は胸より脚が…」
「てめーは、真面目に答えてんじゃねぇ」
「はっはーいいねいいね、轟くーん。
キミ、イケメンだし、エンデヴァー事務所行かないならうちで雇ってあげようー
うち、給料だけはいいよー」
轟の背中をばしばし叩き笑うショッパー。
「ショッパーちゃん、出来上がってきたねぇ」
鉄板でウニクレソンを炒める親父がいつもの事だと笑う。
まったく、この女真面目なのか不真面目なのか、キャラの安定しなさはどうなっているのか。
だが彼女は確かに、この街を愛し、この街に愛されたヒーローだ。
それをまざまざと知ることになるのは…
もう少しあとの話。