第50章 ホールドミー
「はいどーぞ♡」
「?」
「あ?」
「次、靴買うよ、靴。」
ショッパーは2人の手を引いて意気揚々と歩き始めるのだが、
「ちょっと待て」という爆豪の言葉に足を止めることなく振り返った。
「パトロールはどうした…」
「え?パトロールなう…だけど?」
「いや、違ぇだろ!どっからどう見ても買い物だろ!つかなんで俺らに買ってんだよ!」
「えー、だってイケメンに似合う服選びたいじゃん。
あ、大丈夫、プレゼントじゃけ
金とったりせんよ?」
ショッパーはカラッと笑うが、2人は納得いかずにムッと眉を顰める。
「ショッパー、悪りぃが遊びに付き合ってる時間はねぇ…
俺はココで学ばねぇといけねんだ…
時間を無駄にする気はねぇ」
「オレもだ、買い物しに来たんじゃねぇ」
轟と爆豪はショッパーに紙袋を突き返すと、スタスタと行のエレベーターに向かって歩こうとした。
のだが…その時PARCO外からけたたましい音がして、皆そちらに視線を向ける。
ショッパーは、非常窓を開け、身を乗り出すとそこには身長が3メートルはあるであろう巨体のヴィランが電柱を引き抜いて暴れていた。
「あー、丁度いいから、あんた達見ときんさい
私が戦うところ」
彼女は財布から先程のブラックレーベルのレシートを取り出すとそれを手に持ったまま、身一つで窓から飛び降りた。