第50章 ホールドミー
広島駅からタクシーで15分。
地図に書かれた住所は、街の中心地であるPARCOの目の前
そびえ立つガラス張りの建物だった。
「派手な事務所だな…」
轟の呟き通り、一面ガラス張りの建物は、まるで洋服店のように、入り口には真っピンクに塗られたマネキンが飾られていて、どれも高価そうな装飾品とバッグを身につけている。
なぜかどのマネキンも服は着用しておらず、腕にはルイヴィトンやPRADAのようなハイブランドのショッピングバッグを持っている。
「ここ…入っていいのか?」
「知るかよ」
その建物の前で、立ち往生する2人の後ろで、カツカツっとヒールの音が響いた。
「あらーー?
可愛いのが2人も来たじゃんー♡」
跳ねるような声に、振り返ると
両手いっぱいにショップバッグを持った、派手な出で立ちの女がたっていた。
パイソン柄のピンヒールは13センチ、タイトなビビットピンクのワンピース。腰には緑色のベルトでバックルには無数の宝石が光っている。
女はマァ!と言いたげにサングラスを目元から頭の上にずらす。
現れたのは、ハーフのような綺麗な顔立ち。
その大きな薄い緑色の瞳で、爆豪と轟を足先から頭の上までチェックした。
「んー、高校生にしてはいい体格ね、でももう少し身長が欲しいかも」
突然スタイルチェック始める女に、爆豪はブチッと音を立ててキレた。
「あ?んだよババア」
「おい…爆豪…」
突っかかろうとする爆豪を轟が止める
「この人だぞ、俺らのインターン先…」