第49章 ドントストップミー
そうして出来上がったデザインは、
一言で言ってしまえば、かなり際どいミニドレス。
、特徴的なスカートは、右足の付け根に向かってアシンメトリーに短くなって、これでは右足は太ももから丸出しになるだろう。
「スカートというより、これはもう、腰に巻いてるだけの布ね…」
蛙吹の一言に、麗日が頷く。
裾の当たりは黒、上に向かっての真紅のグラデーションはまるで真っ赤なリップを塗った唇が、影を落としているかのよう。
「んでさ?やっぱキッシングヒーローじゃん?
唇を推したい訳よ!んで、これ!」
上鳴が上機嫌に指をさす靴のヒールは、口紅の形になっている。
「どう!?寧々ちゃん!すっごくかわいいよね!」
寧々は、そのコスチュームの露出の高さに正直困惑して居たが、布量の少なさも、全て理にかなっているため何も言えず。
ただ頷いて
『うん…考えてくれてありがとう…』
と、笑顔を作ることしかできなかった。
周りの人たちは、みんな自分のことを思って考えてくれている。
その思いをないがしろにすることはできず…。
言われるがままに書き連ねたヒーローコスチュームの申請書は
無事に相澤の手に渡った。