第48章 スタートウィズミー
「ねぇ!どうして一瞬でそのビキニ着れたの!?」
葉隠が寧々に興奮した様子で聞くと、
答えたのは八百万だった。
「あの一瞬で、創造したんですのよ…そうですわよね?寧々さん」
八百万は生み出した毛布で寧々の体を包むと、柔らかく微笑んだ。
『うん…でも上手くいくか…、わかんなかったから…
うまくいってよかった……』
寧々はまだ小さく震えて、八百万に抱き抱えられている。
「皮膚の上に直接繊維を創造して纏う…
短時間で作れる繊維を選び、繊細な分子構造を考えながら瞬間的に作らなくてはいけない…
それを個性をコピーした瞬間に行うなんて高度な技ですわ…」
『八百万さんの個性は一度借りたことがあるから…』
寧々は少しだけ笑顔を作ると八百万に支えられながら立ち上がった。
画面を見ながら、あんぐりと口を開けて居た麗日はハッとして
体操服を手に、モニタールームを後にする
「寧々ちゃーーーん!」
『麗日さん…』
「はい!これ、体操服!
すごいなぁ、寧々ちゃん
八百万さんの個性使いこなせてたやん!」
『ううん…とっさだったから、こんなのしか作れなくて…
でも、葉隠さんの足、引っ張らずに済んでよかったぁ…』
寧々は、八百万に付き添われたまま更衣室に戻っていった。