第48章 スタートウィズミー
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午後の授業準備のために、少し早くロッカールームに向かうと
峰田と上鳴はもう着替えて、何故か仁王立ちになっていた。
「オレ…この日を待ってたのかも」
「オレも…」
「うわ…!ミント臭っ!
なぁ、なんであの二人あんなに張り切ってんだ?」
そう切島が聞くと、緑谷は苦笑いしながら答える。
「あー…今日から口付さんが実技授業に加わるから…
その、き…き、キスをしてもらえるかもって
あ、あくまで!あくまで個性コピーのためだけどね!…」
なぜか緑谷も顔を赤くして震えながらヒーロースーツに着替える。
このミント臭さの原因である、2人が噛みまくったフリスクの残骸がゴミ箱に捨てられている。
それぞれの思いや写真が交差する中、爆豪を抜いたA組生徒は一列に演習訓練場に並んだ。
少し遅れて、寧々が小走りに演習訓練場に入ってくると
生徒の視線が一心に注がれる
「…え………体操服?」
「寧々ちゃん、ヒーローコスチュームは?」
寧々の体を包んでいるのは、紺色の雄英指定の体操服
『あー…えっと、まだ考え中で…』
寧々は俯きがちに答えるが、峰田が高く親指を立てて
「体操服も…イイ!」と叫んだ。
確かに、寧々の体操服姿は、体育祭の時も割と物議を醸したが、隠しきれないマシュマロボディにぴったりと張り付いていて色っぽい
そんな邪心のみをこめた、峰田と上鳴の視線から隠してあげようと、女子が寧々の前に立ちはだかった。