第47章 ウォークミー
「イルモさんお疲れ様です。
あの口付寧々の記事のインタビュー、今終わったんですか?」
編集部の机に座って背伸びするイルモに後輩が尋ねた。
イルモの机の上にはさっきラムから受け取った寧々の写真が山を崩して雪崩れている。
「うん、まーニュース以上のネタはなかったかなー
あ、でも制服姿の口付寧々の写真ゲットしたし
これはカラーページで行きたいわねー」
イルモは2時間かけて唯一の戦利品を指で挟み降る。
「おっ♡隠し撮りっすか、かーわーいいー」
後輩はイルモの指先から写真を受け取り、手にとって眺める。
「イルモさん、これお願いします」
受付の社員が、写真と容姿を持ってきた。
「ありがと、
探出さん帰った?」
「はい。」
「探出って…口付寧々の情報売ってる子でしたっけ?」
「そー、強烈なキャラの子だったわー…」
イルモは最初にとっておいたラムのバストアッフ写真を指で弾きながらため息を吐いた。
「うわ…ギャルですね
雄英にもこういう系いるんですねー」
「うん…ギャル云々の前になんだか、人としてヤバい感じの子だったよ…」
「イルモさんに言われるって相当っすね」
「どういう意味よ」
イルモに小突かれながら、後輩は笑う。
「まー、あぁいう下衆な読者がいるから、私達もこの仕事でおまんま食べてるんだけどねー♪」
カタカタと記事をまとめ始める彼女に、「そうっすねー」と後輩は返事をして、寧々の写真をイルモに返し去っていった。
返された制服姿の寧々の写真を横目に一瞥した後
イルモは口角を上げて笑う。
「売上伸ばしてねー…頼むよー寧々ちゃん♡」