第47章 ウォークミー
「その証拠とかある?
ビンタされたなら…保健室とかいった?
さ承認になってくれる人が3人くらいいるのでも大丈夫だけど
証明がないと記事にしずらくて……」
最近、名誉毀損とか大変なのよー…と呟くイルモにラムは首を横に振った。
「保健室にはいきませんでした…
口付、強い男ばっか狙ってセフレしてるんで、
敵に回したら怖いし…現に、轟ってやつには腕を凍らされました。」
「凍らせる?!個性で?」
「はい…」
「それも、証拠あったら準備頼めるかな?」
ラムは「証拠」と言われる度に顔を顰めたが、「わかりました…学内の監視カメラを見せてもらっておきます」と呟く。
「で…えーっと、男関係の話をしたいって、メールをくれてたけど?」
「あ!そうなんです!
あの女、3人の男と肉体関係があって…本当はもっとあるかも、
でもとりあえず3人について話します。」
ラムは爆豪、轟、物間の話を盛りながら伝えた。
これに関しては証拠のブツがカバンの中に入っている…。
ラムが意気揚々と話すのをイルモは静かに聞いていた。
「で、物間に至っては、実の兄なのに外でディープキスなんかしてるんですよ!
轟と爆豪とは教室で3Pしてるし、ろくな女じゃないです。
そういうのも全部写真に収めてるんで、これであの女の本性が明らかになればなって」
「じゃあ、その写真を見せてもらっていいかしら?」
イルモは時計を確認しながらラムに言った。
ラムが語り始めて既に2時間は経っている
たしかにこれが本当ならネタとしては上級。
だけれども、忙しい編集者からすれば、2時間も延々と、しかも要点のまとまっていない同じことを何度も繰り返して言う素人トーク…
カフェで友達同士で話しているのならまだしも、ここは編集社で相手は忙しい社会人だ。
ラムはまだ話し足りないという顔をしたがカバンから茶封筒を取り出し、イルモに渡した。
イルモはそれを開け、中に入っている大量のプリント用紙と写真を手に取り目を大きく見開いた。