第47章 ウォークミー
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ちょうどその頃、東京某所のホテルの一室で、
一糸まとわぬ姿のラムは小さくクシャミをして起きた。
「んー……何、誰か噂してんのかな」
無理もない、美人に加えて雄英高校のサポート科。
そんな私がテレビに出たのだから、噂にならないはずがない。
それに今日は女性セブンのインタビューと撮影日
今日こそあの女の男関係を暴露してやる…!
女性セブンは割とゲスなネタが好きだし、テレビみたいにカットされることもないだろう。
起き上がってみれば、隣に寝ていたはずのアシスタントディレクターが居ない。
仕事で先に帰ったのかな、と大して気にせずベッドから下りる
お金はあるんだろうけれど、セックスは下手だし顔はブサイクな男だった。
てか40超えてアシスタントディレクターって、出世的にどうなのだろう?
そっちの業界のことは分からないが、とりあえずパパ1人GETだ。
東京住みの、大手テレビ局ADがパパなんて…ちょっと、私すごくない?って笑ってしまう。
こんなの、すぐに口付を追い抜くに決まってる…
シャワーを浴びて、昨日コンビニで買ったパンを口の中に押し込んだ。
雑誌にテレビ、自分の活躍が増えていくのが堪らない。
満たされていく自己顕示欲に、ラムは赤く口紅を塗った唇で不敵に笑った。
パパに買ってもらったバッグの中に、化粧直しと携帯を突っ込みホテルのドアを閉めたのだが、
忘れ物をしたと、またドアを開けた。
スーツケースの中に入れている証拠写真。
口付寧々と男どものただれた関係を証明するものだ。
ラムはスーツケースを開け、服を次々に床に投げていった。
一番底の茶封筒を手に取ると、乱雑にカバンの中に投げ込んで、こんどこそホテルを後にした。