第46章 コンファインミー
轟は寧々の頭を撫でながら、心の中では葛藤してた。
それは、爆豪が中学時代の爆豪だったからじゃねぇのか…?と伝えるか否か。
少なくとも、高校に入って、自分の知る限りの爆豪勝己は、口こそ悪いけれど
自分の意見を無理やり押し付けるようなデリカシーの無いことはしないと思っていた。
あぁ見えて冷静で、あぁ見えて、客観的な判断ができる…
そんな印象を持っていたが
中学時代は、緑谷の言っていた通り、相当な暴君だったのだと、改めて再認識する。
(流石にこれは言ってやった方がいいな…)
本来ならば、数少ない理解者であるはずの爆豪に言われたことが、寧々にとってとてもショックだったようだ。
ここまで感情を露わにして泣くのは見るに不憫すぎる…。
だが、轟が口を開こうとした時、
寧々は、胸元に押し付けていた顔を持ち上げ、
轟を上目遣いに見つめた……
『焦凍は……そんな事言わないで…
焦凍にまで言われたら…私……』
轟の良心は、彼女の潤んだ瞳の前で崩れ落ちた
ーーー今、自分だけが特別な場所に居れている。
その事実が、轟の口を紡がせる
「あぁ、言わねぇ」
寧々の頭を撫でると、寧々はくすぐったそうな顔をして、『ありがとう…』と呟いた。