第46章 コンファインミー
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「A組とB組、どちらにする?」
そう聞いてきたのは相澤先生だった。
『選べるんですね』
「そうだな。
普通は選ばせたりはしないが、お前の場合A組には婚約者の轟。
B組には兄の物間がいるからな。特殊な例だ」
『その事なんですが、轟くんとの婚約は事実上もうなかったことになってるので…。
記憶喪失中に先方にかけた迷惑だっただけですから…』
俯きがちにそう説明する。
焦凍とは特に何も話し合ってないけれど、あの婚約は、ノーカンってことにしてないと、いろいろおかしい事になるから…。
「そうだったか…。
なら、A組にするか?」
『そこは、「B組」って言われると思ってたんですけれど…。』
「B組には、同じような個性の物間寧人がいるだろう?
切島鋭児郎と鉄哲徹鐵を同クラスにしなかったのと同様の理由で、似通った個性は別クラスに分けるようにしているんだよ」
校長の説明に、寧々は静かに頷いた。
なるほど、確かに私がB組にいたらお兄ちゃんの個性が霞んでしまう可能性もある…。
それに、あのお兄ちゃんの事だ
常に目の前に私がいて、正気を保っていられるとは思えない。
自惚れとは、もう思えないほど兄は私に甘いから。戦闘訓練で、誰かにかすり傷でも負わされようものなら…
と、そこまで想像して身震いをした。
『A組でお願いします…。』
焦凍と勝己ならそこまでの事にはならないだろうから、安心だ、と寧々は見当違いな考えをする。