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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第46章 コンファインミー



その日、寧々が俺の部屋から出ていくことは一度もなかった。

あれだけのことがあったのだから、引きこもるのも無理はない。
朝食はもちろん、昼食も何を渡しても首を横に振るばかり

ただ、屍のように窓の外を眺めていた寧々だったが
夕方4時を過ぎたところでドアのノック音に、やっと視線を動かした。


「誰だ」

扉を開けたのは轟。
扉の前に立っているのは、1A担任、相澤消太。


「口付がここにいると聞いてな」

「……」

轟が無言でドアを開けると、寧々は立ち上がってこうべを垂れた。

『ご迷惑をおかけして…申し訳ありません……』

ほとんどかすれるような声で呟く寧々に、相澤は「いや、お前が謝ることではない」と慰めを伝えた。


「やっと話がまとまった。
説明するから、校長室までいいか?」

寧々は小さくうなづいたが、轟は、相澤の前に立ちそれを止めようとする。


「寧々はヒーローにはならねぇ」

「…どけ、轟」

「あいつだけじゃ説明できねぇ、俺も…」
「いいから、黙れ」


ピシャリと言われ、轟は言葉を飲み込んだ。
「…お前は、婚約者かもしれないが
まだ寧々の人生に関われるほどの関係性ではない」

「っ……」

轟と相澤は鋭く視線を交わしたが、寧々が轟の肩を掴む。

『大丈夫…だから』


ね?と笑う寧々。


(また無理に笑わせてしまった…)





轟は、静かにしまっていくドアの手前で、ただ唇を噛むことしか出来なかった。
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