第46章 コンファインミー
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A組寮に入ると、その場にいたクラスメイトが寧々の周りに集まってきた。
「寧々ちゃん!」
「なんか色々大変だったなぁー、大丈夫だった?」
「でもこれで、ヒーロー科に編入も決まると思うぜ」
「A組だったらいいねぇ♪
あ、でもお兄さんがいるからB組って可能性もあるのかな…」
「寧々さんの素晴らしい個性が認められて私まで嬉しいですわ!」
笑顔で投げかけられる無数の激励と賞賛。
さっきまで泣きじゃくっていたはずの寧々は、また無理をして笑う。
ヒーロー科の前で、「ヒーロー志望じゃない」とは言いにくいのだろう。
(寧々がヒーローになりたくねぇって知ってんのは…俺くらいか…)
見渡すが、爆豪はこの場に居らず、
それも好都合と、轟は寧々をこの場から逃すように部屋に連れ帰った。
二人きりになった部屋の中で、轟は寧々を抱きしめる
「俺の前では無理して笑わなくていい」
『…うん』
寧々は脱力しているようだった。
両手はダラリと垂れ、抱きしめ返してくる気配もない。
でもそれでいい
この部屋に、彼女がいるということ。
この危機を共に乗り切れるということ。
その事実だけで充分だ。