第5章 レットミー
麗日さんが、勝己くんに何か言ってる
勝己くんの表情が明らかに変わったその時
『え?』
「なにこれ隕石?」
空からたくさんの瓦礫が降ってきた
空を見上げる勝己くん、間合いを詰める麗日さん
勝己くんはゆっくりと左手を腕にあげて
爆破
一瞬の出来事だった
観客席まで爆風がおきる
『ひゃう!』
目を開けた時には、麗日さんは
倒れていた
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
〜爆豪side〜
麗日お茶子との1戦が終わったあと、痺れる左手をポケットに突っ込んで廊下を進む
デクの入れ知恵だと思ったが、違うと言う
「チッ」
右手の方でスマホを操作する
何コールかなって電話の相手が出た
『もしもし、勝己くん?どうしたの?』
「2階の非常階段、すぐ来い」
それだけ言って電話を切り、階段に座り込む
寧々は俺の戦いを見ただろうか
女相手に本気で爆破する俺を見て、どう思ったのだろうか
「引くだろ、普通に」
すぐにパタパタと軽い音を立てて、寧々がやって来た
『勝己くん』
息を切らしている、走ってきたのか
「わりぃ、すぐ終わる」
階段に座ったまま、立っている寧々の腕をつかみ引き寄せる
細い腰を抱きしめ、寧々の腹に顔をうずめる
柔けぇ…、か弱いってのは本来こういう女のことを言うんだ
寧々もなにか察したのか、頭を撫でてくれる
「試合、見てたか?」
『うん』
「引いただろ」
『何を?』
「女をボコすオレ見て、引いただろ」
『最初は驚いたけど
でも2人はヒーローだから』
寧々がそう言い、思わず顔を上げる
と、上げた先にはいつもは制服で隠れている
しっかりとした大きさの胸が…
オレの鼻が胸に当たってるのに、気にしてないように寧々は言葉を続ける
(もっと警戒心持てよ)
『ヒーロー同士のことは、私わかんないけど
手加減されたら、麗日さん、悔しかったと思う』
だからよかったんじゃないかな?と、寧々は付け加えた
あぁ、早く1位になって
寧々を全部オレのものにしたい
唇を奪って、めちゃくちゃにしたい
今は我慢するように体を離した