第44章 アバウトミー
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「お前だったんだな…」
扉が閉まった途端、突然現れた爆豪に、寧々は腰掛けていたベッドから立ち上がる。
『爆豪…くん……』
寧々はなぜ、彼がここに居るのか分からず少し混乱したが、それよりも個性がバレてしまった事に焦っていた。
『ちょっとまっ…まって!爆豪くん…!』
「待たねぇ」
爆豪は乱暴な手つきで寧々を押し倒すと、両手をベッドシーツに縫い付けるように拘束した
「待たねぇ…
やっと、やっとだ
やっとお前を見つけたのに…これ以上待てっか」
泣きそうな顔を隠して、唇に噛み付くキスをする。
何度も重ねられ、その度に爆豪の個性が寧々の体を波打つ潮の様に揺らした。
「お前のこと…好きになっちまって、ずっと探してる女じゃねぇのに…って
どんだけ悩まされたとおもっとんだ、カス」
『っ…ーーーごめ、ごめんね…』
「なんでさっさと言わなかったんだよ…個性のこと、嘘まで付きやがって」
唇を尖らせて不貞腐れる爆豪に、寧々は不安げな表情を見せた。
『だって…私のこと嫌いだって言ったから……
私のこと好きになってくれたの、探してた女の子だからなんだって…おもって…』
ごめんね、と寧々は涙を浮かべ爆豪に縋るように抱きついた…
「……ちげぇ、
初めて見た時から……俺は……」
最後は言葉にならず、爆豪も寧々の肩に顔をうずめて鼻をすする。
しばらくそうして抱き合ったままお互いの体温を感じていたのだが、爆豪は泣き止んだのか、服のズレた肩にそっとキスを落とした。
繰り返す様に鎖骨、首筋、耳とどんどん甘いだけの口付けが振ってくる。
『ふぁ…』
そんな行為に、ぞくぞくした寧々が吐息のような声を出すと、爆豪はカッと顔を赤くした。
「へ、変な声出すんじゃねぇ!」
『んぁ…?ごめん…』
あからさまにうろたえた爆豪は体を起こしたのだが、寧々の高揚した表情に体の芯をさらに熱くした。