第44章 アバウトミー
扇のようにベッドに散らばった髪は艶やかで
その一房が流れる首筋は絹豆腐のように滑らかで白い。
ピンクがかった頬に潤んだ瞳が長い睫毛を蓄えた瞳からのぞいている。
キスを重ねたせいで赤く色づいた唇は美味しそうだ……
爆豪はゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
喰いたいと本能的に思う。
この甘くて美味そうな女を…食い尽くしてしまいたい。
きっとどこもかしこもハチミツみたいに喉が焼けるほど甘いのだろう。
そう思うと、欲求は留まるところを知らず
もう一度重ねた唇はいやらしく舌を絡めて水音をたてはじめた。
『んっ…』
「っ……」
指が胸にうまる。
暖かくて、柔らかくて、揉みしだくたびに形を歪めて…。
夢中になってその初めての柔らかさを感じた。
背中で息をする度に、フーフー…と獣じみた呼吸音が自分から聞こえる。
寧々は股のあいだに感じる熱に身じろぎした。
「っ…」
布が擦れたのか、小さく声を漏らす爆豪。
寧々のトロけた視線と絡むと、ドクン…ドクン…と心臓がけたたましく鳴り
指に触れるジッパーをゆっくりと下ろすと
シュル…と音がして脱がせた服がベッドサイドに落ちた。
(綺麗…すぎんだろ
女の身体ってこんな……)
『あんまり見ないで…恥ずかしい』
「2年後の俺は見とんだろ
見せろ、不公平じゃねぇか」
両手で隠そうとするが叶わず、けれど腕を押し付ける力はさほど強くない。