第43章 エクスポーズミー
『だから仕方がないの、自業自得だよ…』
寧々は自嘲気味に笑うと、ドレスの裾を握った。
『…ね、ニュース付けていいかな』
「見ねぇ方がいいんじゃねーか?」
心配する轟に寧々は首を横に振った。
『見なきゃ…もし違うところがあれば違うよって言わなきゃだし…』
「そうか…」
轟は、チャンネルを拾い上げて、ニュースを付ける寧々を見つめて思う。
(強えぇのか、弱えぇのか……時々よくわからなくなる)
思えば、爆豪奪還の時もそうだった。
こうと決めたら、揺らがない。そういう時の、寧々は身を滅ぼしても、怖くないという目をする…
《口付寧々さんといえば、キウイフルーツのCMや、雑誌なんかで一時期大変有名になりましたね》
《職業体験、ということで始めた一時期限定の芸能活動だったということでしたが…これは、ヒーローになってからも芸能活動に尽力する期待が持てますね!》
《ここで、ヒーロー教育専門家の高宮教授に来ていただいています。
高宮教授、彼女は時間無制限コピーという、いわば夢のような個性を持ちながら、どうしてヒーロー科を落ちてしまったのでしょうか?》
《そうですね、そもそも雄英高校の入学試験に問題があるかと…
コピーというのは、誰かからコピーしなければ無個性同然。そういった強個性にも関わらず、第三者を必要とする個性については、試験前にあらかじめ申請をするなどーーーー》
『…はは
私、ヒーロー科に落ちたことになってるんだ…
受けてもないのにね』
「……」
髪で隠れて表情は見えないが、寧々の声はあくまで冷静に徹しているように聞こえた。