第43章 エクスポーズミー
ソファーに腰をかけたまま手を震わせる寧々
その姿が痛ましくて仕方がない。
だからといって、気の利いた言葉もかけ方がわからないただは、ただ寧々のそばで肩を抱くことしかできなかった…
「悪りぃ……俺のせいだ…」
沈黙を破ったのは、轟。
寧々はゆっくりと顔を持ち上げ、隣の男に視線を向けた。
「俺が…あいつを怒らせたから
だから、こんな事になったんだよな…」
『そんな、焦凍は悪くない……
っていうか、ラムさんも悪くないよ』
おかしなことを言う寧々に、轟は驚愕した視線を向けるーーー(何言ってるんだ?)とその視線が訴えてくるものだから
寧々は要らぬことを言ってしまったなと思った…。
が言葉はいつだって噴水盆に返らずで。
『一番悪いのは
このチート個性を世の中のために使わない…ズルい私のせいなの』
「チートって言っても…、自分じゃ制御できねぇじゃねぇか
俺の個性だって、ヒーロー殺しの時みてぇに使い続けれんならいいけど…
体の中に熱と冷気をため続けるったって、寧々の身体じゃ無理だ…
爆豪の個性の時だって、お前爆破で皮膚がただれたじゃねぇか」
今はもう傷も残らない柔らかな掌を見つめながら、ただは絞り出すように言った。
『うん…そうだね
でも、そういうのって説明してわかってもらえる物でもないじゃない?
私の個性は私しかわからない…なら、ヒーロー向きのチート個性って思われても…しかたないかなぁって』