• テキストサイズ

【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第43章 エクスポーズミー



寧々の震える手は差し出したグラスも掴めず
轟は口元にグラスをよせて、どうにか飲ませてやると
やっと息を吐いた寧々の肩を抱いた。


未だ鳴り続けている着信音とメール音に寧々は耳を塞ぎ身を縮める。

「スマホ、電源切るか?」


『うん…』

弱々しく帰ってきた返事に、スマートフォンを探し、確認すると
LINEの通知は300を超えていた。


個性がバレれば…こうなる事は分かっていた。


だからヒーロー科はA組B組共に
寧々の個性による恩恵……つまりもう1人のリカバリーガールとしての利用価値と引き換えに、個性については他言しないように言われていた。

それが、彼女が林間学校に付いてくる唯一の交換条件だった。

『個性がキスって恥ずかしいから…』と照れる寧々に、その真意を知らないヒーロー科達は
「ぜひヒーローに!」と誘った。


それが寧々を最も追い詰める言葉とも知らずに…。

彼女は傷ついたそぶりも見せずに『私なんて…そんな』と首を横に振る。
寧々の元々の性格が災いして、ただの謙遜にしか見えないのが、変に作用し、更に「そんな事ないよ!ヒーローになれるよ!」とまた傷口をえぐった。

そんな姿を見ていても、爆豪と轟は表立って寧々を庇うとができない。
それが彼女の望みだからだ。





ーーーーヒーローになりたくない。

そんな歪んだ…マジョリティに適さない思想を持っているとバレたくない。

あくまでモブに徹する。
それが彼女の望みだから…



/ 436ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp